骨粗鬆症と骨密度について

骨というのは破壊と形成を繰り返しています。骨のイメージとしては硬いものだから、ずっと変わらない・・・と思われるかも知れません。でも実際は他の細胞と一緒で代謝を繰り返しているのですね。

骨粗鬆症はその骨がスカスカになってしまう病気です。病気といっても、人間であれば、誰でも骨密度は低下してゆきます。ただ、その低下の具合が早すぎると、骨折につながったり、それが原因で寝たきりになったりしてしまうのです。

ですから、長く生きるほど骨密度は減少してきて骨粗鬆症になるリスクも高まるというわけです。

でもその進行具合、つまり骨密度の減少というのは個人差があります。

何が違うのか?

そういった骨密度が減少してしまう原因というのは今まで様々な研究や調査によってある程度分かってきています。

その原因を何とかすれば、骨量の減少は食い止めることができ、生きている間に骨粗鬆症になる確率を下げることができる・・・というわけです。

じゃあ、何が原因なのでしょう。

それには骨の代謝について考えなければなりません。骨は破壊と形成を繰り返しています。骨の元となるのはカルシウムですが、破壊に対して、このカルシウムの供給が少なくなれば、骨はどんどん減ってゆくことになります

ですから、まずは供給をしっかりすること。つまりカルシウムを十分に摂取すること。そして、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなど他の栄養素もしっかりととることです。

若いのに骨密度が低い人の特徴

骨密度というのは普通は年齢と共に減少してゆきますが、例えば20代の女性であれば、骨量が少なすぎる・・・というのはあまりないはずです。

ところが、まだ20歳なのに、60歳代の骨密度しかない・・・なんて人もいるのです。

そういう人を見てみるとある特徴があることに気づきます。それらは:

1.痩せている
2.初経が遅かった
3.運動が嫌い、運動不足
4.牛乳をあまり飲んでこなかった
5.インスタント食品が好き
6.ダイエットを繰り返している
7.カルシウム摂取量が少ない
8.外に出るのが嫌い

といった点です。こういった要素はその殆どが自分で予防できるものです。気づいたら、すぐにその点を治す、それが大切だと思います。

逆に60歳なのに20歳代の骨密度をキープしている方もいます。そういった方は、

1.運動が好き
2.カルシウムをしっかりととっている
3.ダイエットはあまりしていない

というような特徴があります。年齢を重ねてもしっかりとした運動と食事、この2つに注意することで骨密度の低下を防ぐこともできます。

閉経と共に落ちる骨密度

とはいっても女性の場合、閉経と共に骨密度が下がる傾向があります。それには今までにもご紹介してきたとおり、女性ホルモンが深く関係しています。

閉経と共に、女性ホルモンの分泌が減少し、それが原因で骨量が減少します。減少する量は閉経後に年間で2%から4%程度になると言われています。その後は減少の幅は小さくなり、年間で1%から2%程度になります。

ですから、女性の場合は特に閉経前後が予防という意味ではとても大切な時期になります。





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