骨粗鬆症の3つの治療方法について
この病気の予防のために大切だといわれているものが2つあります。それは食事と運動です。しかし、骨粗鬆症と診断された場合はこの食事療法と運動療法だけでは不十分な場合があります。
その場合は薬をつかった薬物療法が使われます。これらは骨粗鬆症の治療法の3本柱になります。どれが抜けてもやはりうまくいきません。せっかく薬を飲んでいても、食生活や運動の面を一切改善しなければ、薬の効果も期待できないことになります。
ですから、治療のためにはこれらをバランスよく続けてゆくことが大切になります。
1)食事療法
骨密度が低下してしまった方の多くは栄養不足、カルシウム不足の方がよくいらっしゃいます。こういった方々に対しては、カルシウムの摂取は勿論ですが、他にもビタミンDやビタミンK、マグネシウムなどの栄養を摂取することが重要です。
特にカルシウムの摂取量は日本人は少ない傾向にありますから、その点も注意しなければなりません。
また、カルシウムを摂取する際も一度に大量に摂取するのではなく、3食に分けたほうが効率的に吸収されるほか、骨の破壊が行われるのが夜間であることから、夕食は少し多めにカルシウムを摂取することがすすめられる場合もあります。
カルシウムを多く含む食品としては、牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品がよく知られています。牛乳などの乳製品はカルシウムの吸収効率もよくおすすめです。
他にも大豆製品、小魚類などもカルシウムが豊富です。
他にも海藻類にはマグネシウムが多く含まれていて、骨を強くする働きがあります。ビタミンDはカルシウムが腸管から吸収されるのを促進させる働きがありますので、ビタミンDが含まれるきのこ類などもおすすめ。
他食事療法に関しては別ページでさらに詳しくご紹介していますので、そちらも参照下さい。カルシウムを多く含む食品などもご紹介してゆきます。
2)運動療法(理学療法)
運動は骨を丈夫にすることが知られています。寝たきりになると運動ができず、骨はさらに弱くなってしまいます。
宇宙飛行士などは骨密度が減少することが知られていますが、これも運動をしないこと、骨に負荷がかからないことなどが理由として挙げられます。
ただ、運動といっても骨粗鬆症の方が激しい運動などをすると余計骨折してしまう恐れがありますし、それでは逆効果になります。
そこで、負荷の少ない運動、例えば、ウォーキングや散歩などをできる範囲でやることで骨に適度な刺激を与えることができ、骨も強くなってゆきます。
また、運動することで筋力がつき、転倒予防にもなります。
骨粗鬆症の方が運動をはじめようという時は必ずかかりつけの医師に相談してからはじめるようにしてください。
3)薬物療法
骨粗鬆症と診断されると薬を使った治療も行われます。薬は主に2つにわけることができます。1つは骨をつくるのに必要な栄養素を補う「栄養補助剤」、もう1つは骨量を増やすための薬になります。
具体的にはカルシウム不足を補う、カルシウム剤や、女性ホルモンの減少によって骨密度の減少を食い止めるためのエストロゲン剤などもあります。
他にもカルシウムの吸収を高めるための薬、骨折予防のための薬、骨密度を上げる薬、骨の破壊を抑える薬などもあります。
これらの薬については別ページでさらに詳しくご紹介しますので、そちらも参照いただければと思います。