骨粗鬆症の予防法と節目となる3つの年代とは
骨粗鬆症という病気を予防するために大きなポイントとなる年代が3つあります。1つは10代から20代にかけて、2つ目は更年期、3つ目は骨折などの危険が高まる70代です。
この3つの時期は予防という意味ではとても重要な時期になります。何故この3つの時期が重要か・・・それは骨密度の変化に大きく関係しています。
今回はそれぞれの時期での予防とそれに重要なポイントを記載しています。
@10代から20代にかけて
とくに10代後半から20代前半にかけての時期は骨粗鬆症の予防という意味でもとても重要な時期となります。
こんな若い年齢から?と思うかも知れません。それには骨代謝が深く関係しています。
骨は他の細胞と同じように代謝を繰り返しています。つまり、古い骨は破壊され、新しい骨が作られる・・・これを繰り返しているわけですね。ですから、今体にある骨の中には2年以上前のものはない・・・と言われています。
問題になるのはその骨代謝の中の新しい骨の生成・・・が遅れだすことです。すると骨は破壊されるのに、新しい骨を作るのが間に合わなくなり、骨量がどんどんと減少してゆきます。
誰でも骨量は減るもの
少し話はそれるようですが、骨量というのは誰もがいずれは減ってゆくものです。ですから、長生きをすればするほど骨粗鬆症のリスクは高まります。
骨量も人生で一定ではありません。10代から20代前半というのは骨量が最大になる時期でもあります。ですから、この時期にできるだけ骨量を増やしておくこと。それがとても重要になってきます。
カルシウム摂取に注意する
10代から20代にかけてはカルシウムの摂取量に注意する必要があります。具体的には1日にこの時期では1000mgがすすめられていますが、現状はその半分位。
特に女性の場合、この時期はダイエットを一生懸命やっていたりして、カルシウム量が減りがちなのです。無理なダイエットのために他の栄養も十分に摂取できなかったりして、結果的には最大骨量が十分に確保できず、更年期前後に骨粗鬆症になる・・・というケースもあります。
適度な運動で骨を強く
これは他の年代でも重要なことですが、適度な運動は骨を強くしてくれます。運動不足の人、運動嫌いな人もいるかも知れません。しかし、それでは骨に十分な刺激を与えることができず、結果として骨は十分な強さを確保できません。
骨に良いとされる運動は、ある程度骨に負荷がかかるもの、バスケットボールやバレーボール、短距離走・・・などです。勿論、そういった負荷の強いスポーツではなくても、ウォーキングをしたりするだけでも十分ですから、できる範囲でやってゆくといいと思います。
A更年期
この時期は特に女性の場合、閉経をむかえる年齢でもあります。閉経後は女性ホルモンの分泌が減少し、その影響で骨量もがくんと減ります。具体的には閉経後の数年間は1年間で平均すると2%骨量が減少すると言われています。
がくんと骨量が減った後は少しづつ骨量は減少を続けます。
ですから、この骨量が減る時期の予防というのはとても重要になってきます。
予防で大切なこと
この時期で大切なことはまずは食事に注意すること。食事については当サイトでも食事療法のページで詳しくご紹介していますから、そちらも参照してください。
カルシウムの摂取を心がけることは勿論ですが、他にも栄養をバランス良く摂取するように心がけることがとても大切になってきます。
それから、更年期になると出かけるのが億劫になったりして運動不足になる方もいらっしゃいますが、意識して運動を心がけること。
運動といっても激しい運動は必要ありません。ウォーキングや最初は散歩から始めてもいいかも知れません。運動をすることで骨に刺激を与えることができるのですが、それが骨を強くしてくれます。
運動不足の人は運動を習慣的にしている人よりも骨が弱い傾向にあるのです。
検診を受ける
また、女性の場合は40代になったら骨密度を測定するなど検診を受けるべきです。骨量が減少していたとしても、最初のうちは症状などはでませんので、気づきません。それで大丈夫だと思っていたら、ある日突然骨折した・・・なんてこともあります。
骨量というのは閉経の5年ほど前から減少すると言われていますから、閉経を待つのではなく早い段階で予防に取り組むことが大切になってきます。
B60代、70代以降
男性であっても65歳を超えると骨粗鬆症のリスクは高まります。この時期は骨折のリスクも高まってきますので予防には力を入れてゆく必要があります。
検査を定期的に受けるのは勿論ですが、それ以外の予防法としては1)体重の維持、2)適度な運動、3)食事に注意する、ということが大切になってきます。
この時期に体重をどんどん落としてしまう方もいらっしゃいますが、体重が落ちると骨もやせ細る傾向があります。ですから、そうならないために十分な栄養をとって、体重を維持することです。
また、運動と食事についても注意が必要です。運動という意味では散歩やウォーキングがおすすめです。ただし、骨粗鬆症と診断されている方は運動については医師に相談してください。他の病気をお持ちの方も同様です。
食事についてはカルシウムの摂取に注意します。ある研究では1日に800mg以上のカルシウムを摂取していた高齢者は骨量の減少を抑えられるという結果も出ています。
ですから、目安としては1日に800mgのカルシウム摂取を心がけることです。また、カルシウムの吸収を助けるビタミンDは日光を浴びることで皮膚で合成されますので、昼間の少し涼しい時間にでも散歩をするといいと思います。
日光を浴びるといっても、直射日光にあたる必要はありません。間接光でも大丈夫です。
また、塩分の摂りすぎは高血圧の原因になるだけでなく、カルシウムの吸収を阻害しますので、注意が必要でしょう。