骨粗鬆症の原因について
骨粗鬆症の原因としては下記のような点を挙げることができます:
1.年齢と骨量の低下
加齢というのは大きな原因の1つです。私達は誰であっても必ず年をとります。そして年齢と共に骨密度というのは必ず減少するものなのです。
ただ、減少しても、骨粗鬆症のレベルにまでならずに一生を終える人がいるだけで、誰でも骨量は減少します。
骨というのは代謝を続けています。今体にある骨に2年以上前のものはないという程、骨は常に古いものを破壊し、再生しているのです。
しかし加齢によって破壊は進んでも、再生が追いつかない状態になると骨量は現象してゆきます。これが骨粗鬆症のはじまりです。
2.閉経
この病気は女性に多いのが特徴です。勿論、男性なら大丈夫というわけではありません。男性であっても60歳から65歳を超えるとそのリスクは高まってきます。
ただ、女性の場合は50歳を境に骨粗鬆症が増加します。つまり、男性よりも10年から15年も早いことになります。
その理由は閉経に大きく関係しています。閉経の平均年齢は50歳。その5年ほど前から骨量は減少するといわれていますが、閉経後は骨量ががくんと落ちる傾向にあるのです。
ですから、閉経前後というのは予防という意味でも大切な時期になります。
3.カルシウム不足
思春期のカルシウム摂取量は低い傾向にあります。思春期ではカルシウムを1日で1000mgを摂取するのが望ましいとされていますが、平均ではおよそ500mgという調査結果もあります。
その原因の1つは痩せたいという願望、ダイエットなどが挙げられます。若い頃はまさかそれが骨粗鬆症につながるなんて思ってもいないかも知れません。しかし、その時のツケを何十年も先で払うことになってしまいます。
また、朝食を抜いていたり、偏った食生活、インスタント食品の過剰摂取などもカルシウム不足を招きます。
予防という意味ではもう思春期からスタートさせなければならないのです。
また、高齢者になってくるとカルシウム摂取量が少ないだけでなく、カルシウムを吸収する能力が落ちてくることに加え、カルシウムの代謝に必要なビタミンDも不足する傾向があることなどから、余計カルシウム量が不足してくるのです。
そして、それが骨粗鬆症の原因となっていることは言うまでもありません。
4.運動不足
運動不足が何故原因になるのか?と思われた方もいらっしゃるかも知れません。しかし、運動をして骨に刺激を与えてあげると、骨はそれに耐えようとして強くなります。
ですから、骨密度を上げるためには運動も必要なのです。勿論、運動がいいからといって、あまりにも激しい運動は逆効果です。
激しすぎる運動が原因で生理不順になるような場合は明らかに逆効果。また、骨粗鬆症またはその予備軍の方があまり激しい運動をするとそれがきっかけで骨折してしまうこともあります。
こうなっては本末転倒です。運動と思ったら、まずウォーキングなど楽にできるものを選ぶといいでしょう。
ただ、若い頃、思春期の頃などにある程度体に負荷のかかるスポーツ、例えば、バスケットボールやバレーボールなどは骨には良い影響を与えるようです。
ただし、水泳のように水の中で骨に負担のかからないスポーツは、骨粗鬆症にはあまりプラスの影響は与えないようです。
5.喫煙や過度の飲酒
喫煙に関してはまた別ページで書きますが、骨密度を下げます。女性で喫煙者だった場合は、閉経が早くなったり、女性ホルモンが減少したりと骨粗鬆症にはマイナスの影響を与えてしまうことが分かっています。
お酒に関しては、適度な飲酒は体には良いですが、過度の飲酒は骨粗鬆症にも悪影響を与えるといわれています。
6.リン・食塩の過剰摂取
リンを摂りすぎてしまうと、それがカルシウムの腸管での吸収を阻害してしまうことが知られています。特に問題になってくるのはリン酸を使ったインスタント食品などの食べすぎだと思います。
食塩に関しては摂取しすぎてしまうと腎臓でのカルシウムの再吸収を抑制してしまうため、やはりよくありません。
7.遺伝的要素
家族に骨粗鬆症の人がいたり、女性であるだけで男性よりは骨粗鬆症のリスクは高まります。
ただ、リスクが高くとも十分予防することができますので、大切なのは自分でコントロールできる原因をどれだけ取り除いてゆくか・・・ということだと思います。
8.ストレス
心が健康だと体も健康でいれます。しかし、ストレスがあったり、ずっと悩み続けるような状況だと体にも影響が出てきます。骨粗鬆症もその例外ではありません。
ストレスが強い状況が長く続くことで骨密度が減少する傾向にあるのです。
ストレスが強いと女性ホルモンの分泌が悪くなったり、腸でのカルシウム吸収が悪くなったり・・・という風に骨密度には様々な悪影響があります。
女性学生を対象にした実験では強いストレスを抱えている女子学生はそうでない学生に比べて骨密度が低い傾向にあったそうです。
それだけストレスケアは大切だ・・・ということですね。