骨粗鬆症の診断基準

日本骨代謝学会が定めた2000年版の診断基準によって骨粗鬆症の診断が行われます。

これはどういった基準なのかというと、まず20歳から44歳の女性の骨量を計測し、その平均値を出します。この平均値はYAMと呼ばれますが、この数値を100%とします。

この100%の数値(骨量)に対して:

骨量(%) 診断
80%以上 正常
70%から80% 骨量減少(骨粗鬆症予備軍)
70%未満 骨粗鬆症

という診断となります。ただし、骨量が80%であっても、ここに骨の弱さから来る脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折※1 がある場合は骨粗鬆症と診断されます。

※1 脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折とは?

脆弱性(ぜいじゃくせい)骨折とは、背骨の変形や圧迫骨折などのことをいいます。これは何か外から圧力を加えられたりといった事故によるものではなく、骨の弱さが原因となって起こった変形、及び骨折になります。

骨量が70%から80%の間になりますと、予備軍ということになります。

こういった診断基準となる数値を女性の平均骨量(年齢別)に照らし合わせてみると、60歳では予備軍の数値となり、70歳になると骨粗鬆症の数値となります。

勿論、これは平均的な数値を見た場合の話で、そうならない方もいれば、もっと早い段階で骨粗鬆症と診断される方もいらっしゃいます。

男性の場合は女性に比べると、10年から15年遅れてリスクが高まってゆくようです。

治療の開始と予防について

骨粗鬆症と診断された場合は治療が開始されます。その場合は薬や食事、運動といったものをその人に合わせてバランスよく治療に組み込まれてゆくことかと思います。

また、骨量減少(予備軍)であっても治療は開始されることもあります。治療の開始についても基準が実はあります。この基準によると治療を開始するのは

1.骨量が70%未満の人
2.骨量が70%から80%で「閉経後の女性」、「過度のアルコールを摂取している方」、「喫煙している方」、「大腿骨頸部骨折の家族歴がある方」のどれかに当てはまる場合は治療が開始されます。

2番目に当てはまる方の場合は骨折のリスクが他の方に比べて2倍になるというデータがあります。そのため、早めの治療が必要なのです。

また、予防については健康な方であっても必要になってきます。若い頃の骨量というのは後々大切になってきます。

というのも、骨量というのは誰でも必ず減少してくるものだから・・・です。そういう意味では長く生きれば生きるほど骨粗鬆症のリスクは誰でも高まります。

どうしても減少してくる骨量ですが、最大骨量が多ければ、骨粗鬆症のレベルに達する時期を遅らせることができます。また、減少の幅を予防することによって少なくすることもできます。

ですから、そういう意味では予防の対象は全員・・・ということになるかと思います。





基礎知識
症状と原因
検査と治療法
予防:食事・運動
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カルシウム・ビタミンD