骨粗鬆症による骨折と骨折しやすい部位
骨密度の低下にともなって、骨ももろくなります。するとそれだけ骨折の危険性が高まってきます。骨粗鬆症とはまさにこの状態のことをいいます。
女性の場合、この病気が原因で生涯、骨折する割合は平均すると40%程度と言われています。若い頃はよほどのことがない限り骨折などはしないものです。それに比べると、非常に高い確率であることがわかると思います。
ちょっとしたことで・・・
この病気になるとちょっとしたことで骨が折れることがあります。例えば、転びそうになって手をついたら手首を骨折したり、ひどい場合は洗濯物を持ち上げようとして骨折することもあります。
若い頃は考えられなかったようなことで骨が折れるのは、骨密度が低下して骨がそれだけもろくなっているためです。
ただ、骨折で一番怖いのはそれが寝たきりにつながってしまうことが非常に多いということです。寝たきりの原因を見ると骨折はトップ3に入っています。
そうなる前に予防すること、治療することが何より大切なのです。予防に関して言えば、骨粗鬆症と診断される前からしっかりと予防しておくことがとても大切なのです。
しかし、多くの人はそんなことは知りません。気づいたら、骨折して骨粗鬆症と診断されていた・・・なんてこともあるのですから。
骨折しやすい部位
骨折しやすい部位というものあります。それらは:
・手首の付け根
・足の付け根
・脊椎(背骨)
・腰椎
・腕の付け根
脊椎の圧迫骨折については別ページで詳しくご紹介していますので、ここでは簡単な説明にしますが、圧迫骨折によって背中が丸くなるというのは骨粗鬆症の一般的な症状の1つです。
増えてきた大腿骨の骨折
また、太ももの付け根の大腿骨の骨折に関しては年間で10万件以上もある・・・というデータもあるほど一般的になってしまっています。転んだり、よろけたりした拍子に大腿骨を骨折してしまうこともよくあることです。
もともと白人に大腿骨の骨折が多かったのですが、日本でも頻繁に起こるようになってしまいました。1980年で年間に2万件ちょっとでしたが、2002年になると10万件を大幅に超えています。
大腿骨を骨折してしまうと、治すために寝たままにならざるを得なくなり、その間に骨がさらに弱ってしまうこともあります。
特に高齢者の場合は、そういう意味で転倒予防がとても大切になってきます。
住宅のリフォームが出来れば一番よいですが、それができない場合でも、例えば、段差を解消したり、コードで足をつまづかないようにしたり、手すりをつけたり・・・といった工夫は必要になってくると思います。